AGRI FACTという「農業、食にまつわる噂を検証するサイト」に以前執筆した記事を掲載して頂きました。
普段、仕事で関わる方や友人関係では、どちらかというと「農薬、添加物、ワクチン」などに否定的な方が多くいらっしゃることも十分理解しています。
ではなぜ、このプロジェクトに関わったのか?少し説明させて頂きます。
(少しと言いながら長くなってしまいそうです)
もともとメディアは、基本的には政府の公的な発表と取材をベースに、プロの新聞やテレビのジャーナリストが報道をしてきました。近年のインターネットの普及により、SNSやウェブメディアが出てきて「市民レベル(市民ライターなど)」の情報や「個人の見解や考え方」をシェアできるようになり、社会が大きく変わってきました。これは個人的に、社会にとっては良いことだと思っています。情報の伝達がトップダウンの一方通行ではなく、市民の意見も届き、尊重されるようになったと言えます。
しかし、困ったことも起こります。SNSのシェアやポストを通じて、(政府が出している情報は、難しくて分かりにくいところもあり)分かりやすくて「実はこんな裏がある」など陰謀説やスキャンダラスな説が広まっていき、一般的になってしまっています。そして、その数がとても多いのです。
そのため、政府や世界中の公的機関や研究者が長い時間をかけて検証&決定した”科学的根拠に基づいた”情報より、“主観が混ざった”陰謀説が一般化してしまっています。さらには、科学的な情報を一切目にしないケースも多々あります。しかし、私たち一人一人が物事を判断するためには、さまざまな視点の情報を知る必要があると思っています。
このような理由で、農と食にまつわる噂を専門家が解説するサイトに関わっております。
余談ですが。。オランダの大学で、ケーススタディを一般化してしまい、課題を再提出しなければいけなくなったことがありました。(今思えば当たり前ですが笑)この時も、個々のケースは一般化してはいけない!ということ、一般化されたデータやプロセスを知る専門家(科学者)の話や論文をまず理解した上で、それからケースを知ることが大切だと痛感したことを思い出しました。