プロジェクト「FOOD & BABY」について
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日本には離乳食に悩むお母さん・お父さんがたくさんいます。平成27年度の国の調査では、悩みを持つ親は約75%もいることがわかりました。 私も離乳食に悩む一人でした。離乳食の本に書いてある量を食べさせているのに、体重が減ってしまったり、手づかみ食べをするはずの時期になってもはじまらず、不安を感じたり。周囲の友人に話を聞いても、離乳食の悩みは尽きませんでした。「食べない」「遊び食べをする」「好き嫌いが多い」など、挙げればきりがありません。
ところが、他の国の友人たちに相談してみたところ、思いもよらないエピソードや解決策が出てきたのです。「日本での当たり前が、世界では当たり前だとは限らない」と気づかされ、他の国の離乳食事情を知っただけなのに、ずいぶん心が軽くなりました。これは自分の心の内に留めておくのは、もったいない! 離乳食に悩んでいるお母さん・お父さんたちに、世界の離乳食とその与え方を伝えれば、Discursive Space(まあいいや、と思える心の空間)ができ、楽しく子育てができる人が増えるのではないか? と考えたことが、このプロジェクトのはじまりでした。
すぐに、海外に住む友人たちへの聞き込みと、浜松市に住んでいる外国人の方々に、インタビューを開始しました(実は浜松市は、2万人以上の外国人が住んでいる、多文化共生地域なのです)。そして「20ヵ国以上の子育て中のお母さん・お父さんたちから聞いた離乳食に関する話」のインタビューやアンケートをもとに、2019年2月、静岡県浜松市でデザインを使って、どんな人にも分かりやすい展示会「FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの」の開催に至りました。
展示会場:ギャラリーあ(静岡県浜松市)/photo ©鈴木陽一郎
約250名の方にお越しいただき、ありがたいことに大変ご好評を頂きました。そして、展示会でのアンケート結果や、直接お話をさせて頂いた方から嬉しいお言葉をたくさん頂きました。
「気持ちが軽くなった」「気を楽にもってもいいのかな」「これだけ色々な方法があると、正解を探さなくてもいい」「妊娠中で、できるかなとドキドキしていたけど、離乳食をあげることがワクワクに変わった」などなど。
さらに、「もっとゆっくり見たかったけど、なかなか難しかった」(お子さん連れの方)、「離乳食をあげる時に、もう一度思い出したい」(妊娠中の方)といった声もいただき、本の出版を決意。その後、Makuake(マクアケ)でのクラウドファンディングによる支援を得て、2019年9月1日に『FOOD & BABY 世界の赤ちゃんとたべもの 〜世界の離乳食から見える ひと・社会・文化』が発売となりました。
本の内容や世界の離乳食についての講演会などのご依頼も随時受け付けています。ご依頼はメールにてお気軽にお問い合わせください。
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